受け入れ企業の声

当組合のサポート担当者が
受け入れ企業様にインタビューしました。

N社

実習生の涙から
人を思いやる気持ちを再認識できた。

まずは、御社の事業内容をお聞かせ下さい。

品質管理 製造部長:S様と実習生

N社では鋼製の天井下地材を製造・加工・販売しています。
同社では長年ビルやマンションの天井下地材を手掛けていましたが、近年は一般の戸建木造住宅の天井下地材を開発。戸建の木造住宅で、天井下地に鉄を使う事は、始まったばかりでまだまだ認知度も低い分野です。
短期間で飛躍的に業績を伸ばしてきましたが、更に需要が期待されます。中国人実習生の受け入れを始めたのは2007年2月から。一期生の2人が帰国し、
現在、実習生の徐君1名が働いています。同社製造部7名の内の一人として貴重な戦力であり、楽しく働く仲間となっています。同社では皆が仲良く、
チームワークを活かした仕事ができています。
「実習生から実に多くのことを学んだ」と言われるS部長に、実習生を受け入れてからの同社の変貌ぶりをお伺いしました。

戸建住宅用の天井下地材を鉄で造ることになった経緯は?

「一般の戸建住宅では天井下地材も木造が当たり前でした。これまで木造住宅に鉄を用いることはタブーとされていました。
大工も施工の経験がないので敬遠します。しかし、日本には四季があり、木材の場合、夏は乾燥し冬は湿気がきます。上張りしたクロスがねじれたり、段差ができ亀裂が生じたりします。
これは経年変化と呼ばれるもので、クレームが絶えませんでした。その度に担当した大工が駆けつけて責任補修をしていました。
この問題を解決できないかと大手住宅メーカーからの依頼を受け、当社の親会社と依頼先メーカーとが共同開発したのが鋼製天井下地材『軽天』です。当社の近畿エリアを担当し製品の製造と販売をしています」

木造戸建住宅で、鋼製天井下地「軽天」を使用するメリットは?

「軽天は、木造のように軽年変化が起らず、家自体の耐久性を高めました。鋼材は木材よりも軽量で製造することができるので軽量化もはかれました。
そして工期の短縮ですね。木材で天井を組むだけで2日掛かりましたが、軽天は弊社で完成させて工事現場に納品するため、工期も短縮できます。
また弊社では材料調達を計画的に行い、鉄の価格があがっても安定供給できるように努めています。
ここ4~5年で軽天は普及し、シェア20%になりました。今後その良さが知れ渡っていけば、もっと普及拡大していくと思います」

実習生の受け入れを始められて、現在の様子は?

「弊社では製造7名のうち、1名が中国人実習生の徐君。徐君もふくめ、皆、冗談などを言いながら楽しく仕事をしています。
日本語も、先に帰国した2名は、来て半年ぐらいは四苦八苦していましたが、徐君は2人の先輩がいたので、日本語も仕事も上達が速かったです。
彼らの仕事は、板金に関する裁断や組み立て、ボタンを押すなどの機械作業です。一人になったとき少し心配でしたが、本人はいたってのびのびしています。日本人社員に囲まれて仲良くやっていますよ」

実習生を受け入れて、忘れられないエピソードは?

「私自身のことで言えば、それまでは部下に対して頭ごなしに叱りつけ、派遣社員は辞めていったものもいます。嫌なことがあれば、すぐに辞めてしまう派遣社員に対しては、こちらもクールな対応で済みました。
ところが、ある日、自分が叱りつけた実習生が隠れて涙を流しているのを見たんです。思わず胸が詰まり、その涙を見て私も泣きました。
その後いっしょに食事に行った際に、涙の理由を聞いてみると『自分が本当に悪いことをして叱られるのは判りますが、意味もなく怒られるのは悔しい』というのです。
自分は何て思いやりのない人間だったのかと。彼らはどんなに辛くても、派遣社員のように辞められない……
3年間はどんなことがあってもここで働かなければならないのです。彼らの立場を考えれば考えるほど切なくなり、自分が情けなくなりました」

その後、彼らへの対応は変わりましたか?

「実習生が泣いているのを見てから、日本人社員だけで彼らのことを考えるためのミーティングをしました。彼らがここで3年間、仕事を全うして帰国するためにはどうしてあげたらいいのか、我々にできることは何かなど、皆で真剣に話し合いました。そうしていく中で、社員同士の結束も固くなり、色々なことを考えるきっかけにもなりました。
そこで出た結論として、イライラしたり、嫌なことがあったりしても、仕事中は平常心を保てるようにし、他に思いやりをもって接していこうということでした。イライラして機嫌が悪いのは自分のせいであり、実習生や他の社員のせいじゃありません。
“皆が思いやりを持って仕事をする”と決めてからは会社の中も円滑に回り出しました。人としてとても大切なこと、思いやりを持つという当たり前のことを実習生に気付かせてもらいました」

仕事面で実習生から何か得たものがありますか?

「はい、とにかく真面目で真剣そのもの。その姿は圧倒されます。
今は日本人社員と変わらず、仲のいいチームメンバーとして大切な戦力です。今年から“即納・クレーム・0宣言”というスローガンを打ち出しました。
徐君はこの意味はわかっていませんが、指示した事を確実にしてくれるので、目指すスローガンを実践しています。営業が沢山の注文をとってくる為には、製造の体制が安定していないといけません。中国人実習生を受け入れてから、日本人のように急に辞めることがない分、計画が狂うこともありません。
売上が順調に伸びているのも、彼らがいてくれるからです。」

実習生の普段の生活面では、いかかですか?

「日本語での会話は、最初から特に問題がありませんでした。仕事中は急ぎときなどついつい早口で話してしまうので、彼らも聞き取りにくかったようですが、こちらが気をつけてゆっくり話せばいいので、しっかりコミュニケーションできています。
日常生活での日本語は、全く問題ないと思います。部屋の整理整頓は、人によりますし、今の徐くんはちゃんと掃除しているようです。
あえていうなら、ひとり暮らしなので、寂しくないだろうかと心配するときがあります。でも、すっかり本音を言い合える仲間になっているので、何かあればフォローできる自信があります」

徐君の忘れ難いエピソードについて教えてください。

「日本語でありがとう作文を書いてくれた時のことです。それはとても綺麗な字で書かれていました。きっと私たちのことを切々と書いてくれていると、楽しみにして読みました。ところが……
そこには組合さんに対する感謝の気持ちと、特に担当アドバイザーへの溢れんばかりの感謝の気持ちが綴られていました。
正直にいって、かなりショックでした。徐君のことをいつも考えてきたつもりが、まだまだ足りなく、徐君のハートに響いていたのは組合さんのサポートで、アドバイザーさんの愛情で…。思いやりが足りなかったのでしょうか…
彼らのハートに響く思いやりとは何かをこれからも考えないと(笑)」

最後に実習生の実習実施機関として、一言お願いします。

「業績が悪化して会社を立て直そうとして懸命に頑張っている社長についていくのに必死で周りに目を配る余裕がなかったのだと思います。
実習生が心配りの大切さを教えてくれたから、業績もV字回復し、今の順風満帆な売り上げアップをもたらしたのです。社長は当然頑張った、自分たちも頑張った、そして実習生も頑張ってくれました!
実習生も会社を支える仲間として一丸となれば、皆にとって幸せなことだと実感しています」

組合へのご要望

充分な対応をしてもらっています。実習生のことを考えてあげるのは自分たちの役目なので、今以上に何かしてもらいたいとは特には考えてません。
敢えてお願いするなら、日本語の習得のために、教育システムなど、確立したものを用意していただけたら有難いです。

組合専務理事からの回答

思いやりを持って実習生のことを常に考えて頂き、本当に有難いことです。
御社の戦力としてさらに円滑にチームワークを組めるようには、日本語の上達が大きいと思います。弊組合としても、日本語の教育システムは急ピッチで進めていかないといけない課題です。
貴重なご意見をありがとうございます。

受け入れ企業先

品質管理 製造部長:S様
受け入れ
企業先
大阪府
事業 鉄鋼建築資材加工
機械板金
実習作業 板金作業
実習生の国籍 中国

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