KTCC NEWS 第5号(2020年5月)
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●日本語の時間
弊組合では全ての受け入れ企業に対して、毎月定期訪問を実施しております。
その中で行う日本語1分間スピーチ。緊張してうまく話せない実習生もいるため、楽しく日本語を学ぶ試みとしてクイズ大会を開催しました。
今回はベトナムからの外国人技能実習生(以下、実習生)を受け入れ中の広島県Y社。先輩チームと後輩チームで語彙力を競いました。
果物の絵を見て日本語名を答えるもので、「勝負」となると俄然やる気が出ます。
自分の番に知っている果物が出た時には、とても嬉しそうに「はい!」と手を挙げ大きな声で答えていました。
結果は後輩チームの勝利。スピーチでは緊張している実習生も、クイズでは楽しく日本語で回答するなど、日本語で会話をする機会が増えました。
真面目なスピーチはもちろん、遊びの要素も日本語の勉強には必要です。
次のお題を与えることにより実習生たちはそれに向けて勉強し、自信を持って勝負に臨んでくれることでしょう。
今後も様々な方法で、楽しく学ぶ場を提供していきます。
《ルール》
(1)先輩チームのひとり目に「メロン」のカードを見せます。
・本人が正解できれば1点
・できない場合は先輩チームの誰かが挑戦し、正解すれば0.5点
・先輩チームで正解が出なかったら後輩チームに回答権が移り、正解できれば2点
(2)次は後輩チームのひとり目に「すいか」のカードを見せ、以降同じ流れで個人戦を進めます。
(3)最後はチーム戦で難しい問題をそれぞれのチームに出題。日本語で話し合い、正解すれば3点。
●ひと

●ひと

ナインさん(ミャンマー)2017年11月入国
愛知県の企業にて、パン製造の技術を身に付けるため日々実習に勤しむナインさん。
非常に謙虚で気配りもでき、社内からの人望が厚い好青年です。
勉強にも熱心に取り組み、昨年12月の日本語能力試験でN2に合格しました。
ナインさんの母国ミャンマーは仏教の国。
ナインさんは大仏が大好きで、高さ約18mの大仏がある聚楽園公園(愛知県東海市)に、既に6回訪れています。
そんなナインさんが、仏の心について話をしてくれました。
「仏陀はいつも私の心の中にいます。毎日の生活の中で色々なことがあっても、大仏を見ると仏陀にお会いしたようで、嬉しく有難く清らかな気持ちになります。
今年の秋に満了帰国です。帰国までがんばります。」
遠い異国の地での生活は大変なこともたくさんあったでしょう。
そんな中、心の支えの存在はとても大きかったと思います。
帰国まであと少し。実習先企業の皆様・組合スタッフ全員が、無事実習を終えることを見守っています。
●ベストショット
~ みんなちがって、みんないい ~
組合での講習の一環として、先生をお招きして生け花に挑戦しました。
四季折々の花や草木を通じて季節を感じる感性を育みます。 説明はもちろん全て日本語。
どの花をどのように配置するのか、ひとつひとつ理解しながら生けていきます。
先生に「花に話しかけて下さい」と言われ、「きれいですね」「どこがいいですか」と、とても素直な実習生たちでした。
同じ材料を使っても出来上がりは様々で、色々な「顔」があることに驚きました。
自分のものとは異なる作品を見てその素晴らしさを感じ取り、他者を敬う気持ちを持ってもらえたらと思います。
●ちょっといい話
入国後1ヶ月間の組合での講習を終え企業に配属される全ての実習生に、組合からのプレゼントとして日本語能力試験N3の問題集を渡しています。
それに加えて今回は、裁縫が得意なベトナム出身の組合スタッフから手作りのガーゼマスクが送られました。
新型コロナウイルスの影響でガーゼマスクの材料も手に入りにくくなっています。
生地はなんとか日本で準備できましたが、ゴムひもはベトナムから送ってもらいました。
内側にガーゼポケットもついている逸品で、作った数は50枚以上!
実習生の健康を願う心のこもった贈り物に、新型コロナウイルスで暗くなりがちな気持ちが明るくなりました。
●トラブル事例
~ 初めての利用 ~
ベトナムからの実習生Aさんはある日、駅に設置された1日400円のコインロッカーに荷物を預けました。
1週間後開けようとしましたが、預かり期限が過ぎて鍵が使えなくなっていました。業者の営業時間外であったため、翌日組合スタッフが業者に連絡。
超過分2,800円を支払ってようやく荷物は戻ってきました。Aさんは400円で何日でも使えると思っていたようです。
ベトナムでは対面で荷物を預けることが一般的で、コインロッカーのようなものはほとんどありません。
また、日本語での注意書きをきちんと見ていなかったため、このようなことが起こってしまいました。
コインロッカーの正しい使い方を説明し、初めて利用するものに関しては事前に確認するよう指導しました
●コラム
~ 日本語上達方法 ~
定期訪問時恒例の日本語スピーチ。
ある実習生が「最近仕事がとても忙しいです。でも休憩時に日本人と話をして、日本語が流暢になりました。日本語をもっと勉強したいです。」と発表しました。
実習生みんなが日本語の勉強を頑張っていて、工場長も「日本語が通じるようになってきた」とおっしゃっていました。
どんなに忙しい職場であっても休憩時は、日本人と会話をする絶好の機会。実習生同士で固まらず、積極的に日本人とコミュニケーションを取ってほしいです。
日本語の上達だけでなく、会話をすることで人間関係も良くなります。
実習生の「日本語の先生」として協力して下さる企業の方々に、心より感謝申し上げます。