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イベント、実習生の様子などを紹介しています。
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2022年10月3日に外国人技能実習機構の調査による「令和3年度外国人技能実習機構業務統計」が発表されました。実地検査で技能実習法違反が認められたものについては、改善に向けた指導を行うとともに、改善状況の確認が行われます。また、特に悪質な事案については、法務大臣、出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣による行政処分等(実習実施者については改善命令や認定計画取消し)の対象となることがあります。法令遵守は当然のことですが、ちょっとした見落としを無くすために違反指摘内容について紐解いていきたいと思います。
技能実習の実施に関するもの
1.実習内容が計画と異なっていたもの
認定を受けた技能実習計画に変更がある場合は届出等が必要となる場合があります。(技能実習法第11条)
変更の程度(重要な変更/通常の変更/些細な変更)に応じて、手続きを行う必要があります。
2.実習時間数が計画と異なっていたもの
認定を受けた技能実習計画の実習実施予定表記載の実習時間数よりも大幅な変更がある場合は届出等が必要となります。(技能実習法第11条)
【年間の合計時間数の変更】
・年間の合計時間数を予定の50%以上に相当する時間数を変更する場合には変更認定が必要。
・年間の合計時間数を予定の25%以上50%未満に相当する時間数を変更する場合には届出が必要。
3.計画に記載されている機械・器具・設備を使用していなかったもの
(技能実習を行わせる体制及び事業所の設備(施行規則第12条2一)
移行対象職種・作業の技能実習計画の審査基準、技能実習計画のモデル例、技能検定等の実技試験過去問題等を参照し、記載のある機械、器具等を用いて技能等の修得等を行わせることが推奨されます。
»技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能実習評価試験試験基準(厚生労働省HP)
4.従事させる業務が適切でないもの
(施行規則第10条2一)
当該職種・作業が同一作業の反復のみでないこと、送出国の実習ニーズに合致すること、技能等を評価できる技能実習生向けの技能検定等が整備されていること、などの要件を満たす必要があります。
5.実習場所が計画と異なっていたもの
技能実習期間中に技能実習を行わせる事業所を変更したい場合については、技能実習計画の変更の届出を行う必要があります。
※届出を出しても技能実習ができない場所もある
技能実習を実施する体制・設備に関するもの
1.技能実習生に対する指導体制が不十分であったもの
技能実習を行わせる体制(施行規則第12条十三)
○ 技能実習を継続して行わせるに当たって、実習実施者は、一定程度の財務的基盤を有することが必要です。この点については、実習実施者の事業年度末における欠損金の有無、債務超過の有無等から総合的に勘案されることになります。
○ また、技能実習を継続して行わせる体制を整備する観点から、技能実習生の人数及び作業内容に照らして、技能実習指導員の数が著しく少ない場合などには、その体制を強化し適切なものとすることが求められます。
2.生活指導員が適切に選任されていなかったもの
生活指導員の選任(施行規則第12条三)
生活指導員は、技能実習生の生活の指導を担当するために、実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者でなくてはなりません。
3.技能実習指導員が適切に選任されていなかったもの
技能実習指導員の選任(施行規則第12条二)
① 実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員のうち、技能実習を行わせる事業所に所属する者
② 修得等をさせようとする技能等について五年以上の経験を有する者
4.技能実習責任者が適切に選任されていなかったもの
技能実習責任者の選任(施行規則第12条一)
① 実習実施者又はその常勤の役員若しくは職員である者
② 自己以外の技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員を監督することができる立場にある者
③ 過去3年以内に技能実習責任者講習(厚生労働省HP)を修了した者
5.技能実習生の人数枠が基準を満たしていないもの
技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護の観点から、実習実施者が受け入れる技能実習生の数については常勤職員数の上限が定められています。その具体的な人数枠については、次の表のとおりとなっています。(施行規則第16条)
申請者の常勤の職員の総数 | 技能実習生の数 |
---|---|
301人以上 | 申請者の常勤の職員の総数の20分の1 |
201人以上300以下 | 15人 |
101人以上200人以下 | 10人 |
51人以上100以下 | 6人 |
41人以上50人以下 | 5人 |
31人以上40人以下 | 4人 |
30人以下 | 3人 |
※仮に申請時より常勤職員数が減ったことで人数枠が変わり上限を超えた場合には、入国前であれば同職種作業の技能実習が可能な他社へ移管しなければなりません(実習継続が困難な場合と同じ)。入国後に限ってはこの限りではありません。
技能実習生の待遇に関するもの
1.宿泊施設の不備(私有物収納設備,消火設備等の不備等)に関するもの
実習実施者又は監理団体は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなければなりません。基本方針(第3章第7節)において、実習実施者は、技能実習生が健康で快適な実習生活を送れるようにするため、快適な住環境を確保するとされており、これを踏まえ、適切な宿泊施設を確保してください。(施行規則第14条一)また、下記の事項が確認できることが必要です。
① | 宿泊施設を確保する場所は、爆発物、可燃性ガス等の火災による危険の大きい物を取扱い・貯蔵する場所の付近、高熱・ガス・蒸気・粉じんの発散等衛生上有害な作業場の付近、騒音・振動の著しい場所、雪崩・土砂崩壊のおそれのある場所、湿潤な場所、出水時浸水のおそれのある場所、伝染病患者収容所建物及び病原体によって汚染のおそれの著しいものを取り扱う場所の付近を避ける措置を講じていること |
② | 2階以上の寝室に寄宿する建物には、容易に屋外の安全な場所に通ずる階段を2箇所以上(収容人数 15 人未満は1箇所)設ける措置を講じていること |
③ | 適当かつ十分な消火設備を設置する措置を講じていること |
④ | 寝室については、床の間・押入を除き、1人当たり4.5㎡以上を確保することとし、個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及び採暖の設備を設ける措置を講じていること ※「私有物収納設備」については、プライバシーの確保や盗難防止の観点から、身の回りの品を収納できる一定の容量があり、かつ、施錠可能で持出不可なものであることが必要です(個人別に施錠可能な部屋である場合を除く。)。「施錠可能」について、収納設備に施錠機能がない場合には、南京錠やチェーンロックなどにより施錠機能を施してください。また、「持出不可」について、収納設備が建物に備え付けられていない場合、防犯ワイヤー等で建物に固定してください。単に押し入れの中を技能実習生ごとに区分けしたり、個人ごとの収納ボックスを付与したのみでは、私有物収納設備とは認められません。なお、鍵については、当該私有物収納設備等を使用する技能実習生自身に管理させなければなりません。 |
⑤ | 就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること |
⑥ | 食堂又は炊事場を設ける場合は、照明・換気を十分に行い、食器・炊事用器具を清潔に保管し、ハエその他の昆虫・ネズミ等の害を防ぐための措置を講じていること |
⑦ | 他に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場(脱衣室を含む。)のない場合には、当該施設を設けることとし、施設内を清潔にする措置を講じていること(各施設は一般的な機能を有する設備を設け、浴場は保温性を維持し、必要に応じ、プライバシーが守られるよう十分に配慮していること) |
⑧ | 宿泊施設が労働基準法第10章に規定する「事業の附属寄宿舎」に該当する場合は、同章で定められた寄宿舎規則の届出等を行っており、又は速やかに行うこと |
2.食費,居住費,水道・光熱費等の技能実習生が負担する金額が適正でなかったもの
食費、居住費、水道・光熱費など技能実習生が定期に負担する費用については、技能実習生との間で合意がされている必要があります。旧制度において、技能実習生が不当に高額な費用を請求される事例も指摘されていましたが、新制度では、その費用が実費に相当する等適正な額でなければならないことを法令上明確化したものです。(施行規則第14条四)
(例)人数割りで給与控除していたが、実際は合算すると実費以上の額を控除していた
毎月固定額を給与控除していたが、合算した額が実費よりも多い月が存在した など
3.計画どおりの報酬が支払われていなかったもの
労働基準法では、賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を、毎月1回以上、一定期日を定めて支払わなければならないとされていますが、技能実習生に対する報酬の支払を確実かつ適正なものとする本規定の趣旨に鑑み、当該技能実習生の同意を得た上で、雇用契約において、当該技能実習生の指定する預貯金口座等へ振り込むこととするよう努めてください。(施行規則第14条四の二)
※支払方法にかかわらず、報酬の支払状況が確認できる資料を保管し、外国人技能実習機構等による検査及び監理団体による監査の際に示せるようにしておく必要があります。
4.残業代が適切に支払われていなかったもの
技能実習制度では時間外労働を原則としては想定していませんが、やむを得ない業務上等の事情等により時間外労働等を行わせる場合、適正に割増賃金が支払われなければなりません。(労働基準法37条)
5.報酬の額が日本人と同等以上でなかったもの
技能実習生に対する報酬の額については、技能実習生であるという理由で不当に低くなるということがあってはなりません。(技能実習法第9条)
【同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合】
技能実習生の任される職務内容や技能実習生の職務に対する責任の程度が当該日本人労働者と同等であることを説明した上で、当該日本人労働者に対する報酬の額と同等以上であることを説明する必要があります。
【同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合】
技能実習生に対する報酬の額が日本人労働者に対する報酬の額と同等以上であるということについて、賃金規程がある場合には同規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から、賃金規程がない場合には、例えば、技能実習生の任される職務内容や技能実習生の職務に対する責任の程度が最も近い職務を担う日本人労働者と比べてどのように異なるかという観点から、説明を行うこととなります。
※仮に申請時に同程度の技能等を有する日本人労働者として想定していた従業員が技能実習生が入社する前に昇給していた場合、職務内容や責任の程度に変更が無い場合は技能実習生の報酬の額を同等以上に変更しなければなりません。職務内容や責任の程度が技能実習生と差が生じる場合にはこの限りではありません。
帳簿書類の作成・備付けに関するもの
1.各種管理簿を適切に作成・備付けしていなかったもの
実習実施者は、次の帳簿書類を作成し、事業所に備えて置かなければなりません。保管期間は、帳簿書類の基となる技能実習が終了した日から1年間です(技能実習生が第2号までの3年間の実習を行った場合、第2号終了時から1年間、第1号開始時からの帳簿を備えて置く必要があります)。(技能実習法第20条)
届出・報告に関するもの
1.軽微変更届を適正に提出していなかったもの
通常の変更をしようとする場合にあっては、変更に係る事由が発生した日から1か月以内に、機構の地方事務所・支所の認定課に技能実習計画軽微変更届出書を提出しなければなりません。
2.実習実施届を適正に提出していなかったもの
実習実施者は、技能実習計画の認定を受けた後、技能実習を開始したときには、遅滞なく、機構の地方事務所・支所の認定課に実習実施者届出書を提出しなければなりません。(技能実習法第17条)
3.技能実習実施状況報告を適正に提出していなかったもの
実習実施者は、毎年1回、実施状況報告書を作成の上、管轄する機構の地方事務所・支所の認定課に提出しなければなりません。(技能実習法第21条)
技能実習生の保護に関するもの
1.在留カード・旅券を預かっていたもの
実習実施者若しくは監理団体(※)又はこれらの役職員は、技能実習生の旅券又は 在留カードを保管してはなりません。(技能実習法第48条第1項)
2.貯蓄の契約をさせ,又は貯蓄金を管理する契約をしていたもの
監理団体(※)又はその役職員は、技能実習生等(技能実習生になろうとする者を含みます。)に技能実習に係る契約に付随して貯蓄の契約をさせ、又は技能実習生等との間で貯蓄金を管理する契約をしてはなりません。(技能実習法第47条第2項)
3.私生活の自由を不当に制限していたもの
実習実施者若しくは監理団体(※)又はこれらの役職員は、技能実習生の外出 その他の私生活の自由を不当に制限してはなりません。(技能実習法第48条第2項)
(令和3年度) | 単位:件 |
技能実習の実施に関するもの | 3,968 |
---|---|
1.実習内容が計画と異なっていたもの | 519 |
2.実習時間数が計画と異なっていたもの | 1,042 |
3.計画に記載されている機械・器具・設備を使用していなかったもの | 11 |
4.従事させる業務が適切でないもの | 288 |
5.実習場所が計画と異なっていたもの | 121 |
6.その他 | 1,987 |
技能実習を実施する体制・設備に関するもの | 1,408 |
1.技能実習生に対する指導体制が不十分であったもの | 866 |
2.生活指導員が適切に選任されていなかったもの | 96 |
3.技能実習指導員が適切に選任されていなかったもの | 136 |
4.技能実習責任者が適切に選任されていなかったもの | 160 |
5.技能実習生の人数枠が基準を満たしていないもの | 14 |
6.その他 | 136 |
技能実習生の待遇に関するもの | 4,350 |
1.宿泊施設の不備(私有物収納設備,消火設備等の不備等)に関するもの | 2,253 |
2.食費,居住費,水道・光熱費等の技能実習生が負担する金額が適正でなかったもの | 222 |
3.計画どおりの報酬が支払われていなかったもの | 627 |
4.残業代が適切に支払われていなかったもの | 1,194 |
5.報酬の額が日本人と同等以上でなかったもの | 39 |
6.その他 | 15 |
帳簿書類の作成・備付けに関するもの | 1,195 |
1.各種管理簿を適切に作成・備付けしていなかったもの | 797 |
2.その他 | 398 |
届出・報告に関するもの | 2,614 |
1.軽微変更届を適正に提出していなかったもの | 2,355 |
2.実習実施届を適正に提出していなかったもの | 6 |
3.技能実習実施状況報告を適正に提出していなかったもの | 159 |
4.その他 | 94 |
技能実習生の保護に関するもの | 42 |
1.在留カード・旅券を預かっていたもの | 6 |
2.貯蓄の契約をさせ,又は貯蓄金を管理する契約をしていたもの | 2 |
3.私生活の自由を不当に制限していたもの | 17 |
4.その他 | 17 |
合計 | 13,577 |
※外国人技能実習機構「令和3年度業務統計」より作成
»技能実習制度についてはコチラ(新しいタブで開く)
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